靴磨きの復活&進化「前編」
2017年03月20日
文献によると戦後、全国の繁華街や都市の駅周辺で路上で靴磨きをする業者がたくさん現れたそうです。
投資もわずかで日銭が稼げると少年までいたそうです。戦後の荒廃した街中、舗装されていない道路を歩くとすぐ汚れてしまう、革靴はまだ高価できれいにしてはきたい、そして経済的に豊かな人達はまだ貧しい人達にお金をあげたいとこの靴磨きを率先して利用したという話も聞きました。戦後、皆でがんばろうという機運があったのでしょうか、戦後の復興は「靴磨きから」始まったのです。
そして瞬く間に多くの人達が参入して産業になりました。
ところが東京オリンピックの頃になると戦後のイメージを払拭したかったのでしょうか、警察署の「道路使用許可」都道府県の「道路占用許可」が厳しくなり、許可をとれない人はできなくなり、新たに開業できる人は少なくなりました。
また道路の舗装もすすみ、革靴も様々な種類、様々な加工をされたものも増えてきました。さらに合成皮革の靴も普及し始め安価になりバブル経済の到来とともに靴は使い捨ての傾向が高まってきてしまいました。
靴磨きの業界は一気に繁栄して30年足らずで衰退してしまいました。
反面、靴修理はチェーン展開するほどノウハウ化され大きな産業になっています 。
では靴磨き、靴をきれいにするサービスは必要ではなくなったのでしょうか?
ファッションアイテムで最も傷みやすく、汚れやすいものが靴、ブーツです。いくら安価になったからと使い捨てにするよりメンテナンスしてまた履きたいというニーズはなくなるはずがないと思います。
そして使い捨てがよいはずがない!(後編で力説します)
大きな動きがあったのは今から25年位前、クリーニング業界大手が米国から「靴クリーニング」のノウハウを導入し、クリーニング業界に普及させるためサービスを開始しました。
私は、早速自分の靴を洗ってもらいスッキリきれいになった靴をはき、、うれしくなってこれはきっとみんな利用するだろうと地元のクリーニング業のホールセール(下請け)代理店として回るようになりました。(もちろんリフォームも!ここの話はまた別の機会に)
店頭にポスターを貼ってもらい、チラシを配ってもらい営業をしました。もちろん自分の洋服直しの店でも宣伝しました。しかし、がんばってもなかなか成果がでません。二つの大きな理由が分かってきました。当時の靴クリーニングの店頭価格が革靴3000円、ブーツで5000円位、半数以上の方が「そんなにするの?」とびっくりされました。しかも納期は約1カ月後!
使い捨てに慣れたお客様のメンテナンスへのモチベーションは高くはなかった。
そしてもう1つとても悔しい事を何度かクリーニング屋さんから言われました、「これ本当に洗ったの?お客様にお金をもらいにくいな!」
洗ってないわけないでしょ!と、口論したことも何度かありました。そこで気づきました「汚れていない靴を洗っても大差がない」当たり前すぎることですがこの価格で大差を感じられなければお客様は不満を感じてしまう。一理はあると思いました。がんばっても成果が出せないならやめようかと思いました。
何かが足りない!悩みましたが思い出したのが私も昔、一度だけ路上で経験した「靴磨き」でした。
あれなら安価なサービスで納期も早く、しかもバッチリ仕上がりに差を出せる!
まさに暗闇に光明でした。早速、いろいろ調べ、ノウハウを教えてもらえるところを探し、受講してさらに資材メーカーからもいろいろな材料を教えて頂きました。
しかしそんなに何事もあまくはないですね、ノウハウがいろいろな方々の話を聞きすぎてその中には正反対の考えもあり、まとまらなくなってしまいました。
作業時間も10分以上かかっては安くはできない、さらにすでに多様化していた靴に従来の方法では対応できない。そしてもう1つ、高度成長期、バブル期に失われた価値観があったと思います。「物を大切にする心」「もったいない精神」「足元をきれいにする身だしなみ」これらがなくなった事を痛感する事になりました!
「靴磨き」もうまくいかない、「靴クリーニング」もダメだった。挫折しかありませんでした。
しかしトータルファッションメンテナンスを目指す上、また地球環境を考えたら絶対に靴メンテナンスの普及は必要不可欠!
それ以前に男女問わずスーツをバシッとキメてる人の足下が美しくない(汚い)のはありえない!と、強く思うようになりました。
中編、後編で技術、そして普及させる事ができたミラクルなストーリーを書かせて頂きます。
▷▷▷中編もぜひご覧下さい!
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