恐怖の〈ボンディング加工〉
2018年10月19日
恐怖のボンディング加工!!
なんて一般の皆様は意味不明だと思います。しかしクリーニング業界では合成皮革の劣化と共に最も恐ろしいクリーニング事故になる可能性の高い衣類の特殊加工です!
名前から読み解くと「ボンド(接着剤)」「イング(している)」
表の布と裏の布を接着剤で貼り合わせてある加工です。
なぜこのような加工をされるのか?
1.例えば表地が薄い綿の布を風通しを遮断し保温性を高めるためにポリウレタン製の布地を貼って機能性を高めている。
2.またはウールのはりを高めるために裏に綿の布(芯地)を貼ってかたちを崩れにくくしている。
他にもいろいろありますがこの二つの事例が大半です。
そしてここに大問題が含まれています!
2.のウールと綿の相性はとてもよくしっかりと接着されよほど粗悪な加工でない限りはがれてくる事はありません。
そして素材の寿命は共に長い!正確なデータはでていませんが10年以上経っても双方、劣化しないで問題になることはまずありません。
稀に「ウキ」というはがれ現象がみられますが原因は品物が粗悪品または寿命、または洗い方!となりますが近年の優れたアパレル技術とクリーニング技術で滅多に起こることはありません。私の見解ですがそのスーツが製造され購入され、着用、クリーニングされ10年以内にこのトラブルにあう確率は1割未満だと思います。
しかし1.の事例は確実に製造から5から10年以内にほとんどの衣類に起こる最も恐ろしいクリーニング事故です。
なぜか?
貼り合わせている素材の寿命と性質が全く異なるからです。
綿の寿命は10年以上しかしポリウレタンの寿命は製造から3年から5年と一般的にいわれています。(大差あり)
ということは劣化の時間差があるということ。
表の綿や化繊は大丈夫でも裏のウレタン樹脂がベトベトになったりボロボロしてくる!さらに恐ろしいケースは
「縮んでくる!」
裏にひっはられ表はシワだらけ!もちろんアイロンプレスなんてしても劣化による収縮現象は直らない!
確実に着られなくなってしまいます。
こうなったらもうどうしようもありません!
唯一、全てはがしてしまう!以外には!
防風、防寒という機能は失われますが外観は保てます。
この方法も万が一の時には思い出して下さい。
衣類に「ボンディング加工」と記載はありません。しかし衣類のケアラベルに耐用年数と最も大事な製造年は記載してもらいたいです。(UNIQLOのシームレスダウンのように)
最後に全てのものには寿命があります。
お直しで寿命を延ばせる事もできます。
お困りの時にはご相談下さい。
※ちなみにこのジャケットは裏のウレタンを全てはがしてまた着て頂く事になりました。
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