複合繊維について
2022年05月07日
最近、といっても10年ほど前からスーツなどの織物素材でも伸縮繊維が増えてきました。
ウール100%では伸びることはない布地にポリウレタン繊維が加わることで伸縮布地になります。
ちなみにポリウレタン5%など表示されていたらその布地はニット製品かと思うくらいビロンビロンに伸びます。3%でもかなり伸びます。
このブログでは過去何度もポリウレタンのリスクについて書かせて頂きました。
最近もクリーニングに出してもシワかとれない、よけいにひどくなった気がするので直して下さいとご依頼がありました。
もちろんそれはクリーニングのせいではなく素材の特性でポリウレタン繊維の寿命による現象です。と、説明させて頂き、そのクリーニング屋さんのフォローもさせて頂きました。
しかし、もうほとんどのクリーニング屋さんはポリウレタンのリスクをご存知のはず!(まだご存知ではない方もいらっしゃると思います)
なぜ事前説明がなかったのか?そのまま納品されたのか?
おそらくケアラペルにポリウレタンの表示がなかったからだと思います。その代わり「複合繊維」と表示があります。


この表示は法律的によいのでしょうか?
どんな繊維が全くわかりません。
ではネットで検索すると〜

全くよくわかりません😅
何故か、複合繊維についてはわかりやすく説明された投稿が少ないです。このブログを拝見しましたのでリスペクトを込めてシェアさせて頂きます。
複合繊維にはポリウレタン繊維が使われている!だから凄い伸縮性があるのですね!
しかし、なぜポリウレタンの表示をなくし、他の繊維と混ぜ「複合繊維」とするのか?
メンテナンス業界としては由々しき問題です。
さらに消費者の立場でもウール100%、または他の天然繊維、化学繊維なら何十年ももつのに、このポリウレタンが入ることで10年ももたなくなる、ちなみにこのお客様は購入してまだ3年も経っていなかったとのこと!
もうポリウレタンのことをご存知の方はピンときたはず!
樹脂の製造から3〜5年で劣化がはじまる(劣化するのではなく)だからきっともっと前に製造されていたのでしょう。
しかし、お客様は全くわかる術もない、製造年の記載はなくポリウレタンの表示さえも記載がないのですから!
何度も書いてますが衣類の寿命はこのポリウレタン混入によりコントロールされます。
できるだけ大切に長く着たいから大事に着ている方の希望を打ち砕く素材です。
サステナブルファッションと真逆の事をされているメーカーもまだまだたくさんあるアパレル業界ですね!
伸縮素材のメリットをアピールするならそのデメリットも伝えなければいけないと思いますが・・・
このようなトラブル事例が多くなり、サステナブルとのギャップを感じます。
「複合繊維」とケアラペルに記入があったらぜひ思い出して下さい。

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